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社労士の今後の需要と将来性について

 社労士資格の今後の需要や将来性について、これから社労士で開業を考えている人
特に私より若い20代や30代で開業を検討している人向けに記載していきます。

というのも資格学校やインターネットで書かれているのは「社労士の今後は明るい」
というものが多いので、社労士開業の現実について私が感じていることを記載します。
私は26歳で開業したので現在ちょうど開業10年目です。

ちなみに私は社労士の業務は今後どんどん減っていき、社労士事務所の売上もジリ貧になっていくという立場にいますので、稼ぐことが目的の社労士開業や年収アップのための社労士事務所への就職、転職には否定的です。

社労士勉強中の方も社労士を勉強するなら他のことの勉強に時間を使った方がいいと思っていますし、私もすでに社労士で使う時間は減らして、社労士以外でも収入を得れるように奮戦しています。


私が社労士業務が減っていくと考えるのは大きく3つあり
1,社労士の手続き業務が減っていく
2,日本全体で会社が減っていく(とくに優良会社)
3,人を雇うメリットが減っていく
があります。

1,社労士の手続きが減る
 社労士と契約する一番のメリットは何といっても1号、2号業務が手間だったり、よく分からないからという会社が多いと思いますが、今後はマイナンバーや法人番号を強制的に使用することを大前提にすると間違いなく1号、2号業務は手続きそのものがなくなるか今よりも簡単になっていく(いちいち申請しなくても自動で入金されたり、添付書類が不要になる)というのが私に意見です。  


ちょうどこのブログを記載している時期にも健康保険証を原則廃止して2024年よりマイナンバーカードへ移行というニュースがありました。
これだけでも社労士の5%~10%くらいの業務(入社の際の保険証発行、扶養の追加、保険証をなくしたときの再発行、資格喪失連絡票など。ゆくゆくは高額療養費や出産一時金など)があっという間になくなってしまいそうです。

健康保険証の廃止は一例ですが、社労士の業務は役所が決断すればすぐになくせるような業務が多いので「いつ減るか」「どこまで減るか」の問題だと思います。


 社労士の手続き業務が減るということについては、私自身、現状無駄が多いと感じているのでしかない部分もあると思います。

例えば法人の名称や所在地が変更することは年に数回ありますが、労働基準監督署で労働保険番号を変更して、ハローワークで雇用保険適用事業所番号を変更して、年金事務所で事業所番号を変更して、申請中の助成金があれば助成金ごとに変更届を出すこと、さらに銀行引き落としを選択していてればすべての引き落とし口座の再登録などに無駄を感じてしまいます。

これは本来だとわざわざ申請しなくとも法人番号を使えば自動で変更できる仕組みができるはずで、保険証のようにやろうと思えばいつでもなくせる業務です。

この手間のために社労士の存在価値があるわけですが、私が社労士ではなくお金を払う側だと嫌ですね。これは法人を設立して税理士や司法書士にお願いする立場になって感じました。

2のいい会社が減っていくですが、これは日本全体に言えることですが国家資格の社労士は日本国内でしか商売できないので他の業種よりも影響が大きいと思います。

日本は今後人口が減っていくことが確実ですので社労士に限らずマーケットが小さくなるわけですが、一方で社労士の有資格者数は増えていて(社労士の人数は2010年が3万5000人、2021年は4万2000人)、顧客である中小企業の数が減っているのに対して完全に需要と供給のバランスが崩れているため、小さくなるパイを多くの社労士が奪いあうという不毛な消耗戦をしている状況です。

投資の世界でFXはゼロサムゲーム(誰かが100万円利益を出すと自動的に誰かが100万円損失を出す)と言われますが、これからの社労士業界はセロサムゲームどころかマイナスサムゲームで社労士マーケットに参加する人は不幸になる人が多いという認識は必要です。


会社の数以上に会社の質も落ちていると思っていて、これは私が開業した10年前と比較して明らかに契約する会社の質が落ちましたね。
例えば
・当然のように値切る会社
・助成金など不正を強要するような会社
・連絡がつかなくなる会社
・社会保険料を払えていない会社
・アポをとって訪問しても不在の会社
・現金がない会社
・急ぎでやってほしいという会社
など質が悪いというのは一言で言うと儲かってないない会社といってもいいかもしれません。

資本金1円で会社を設立できたり、事務所がなくてもバーチャルオフィスで登記できることで確かに会社は設立しやくすなりましたが、資金がなくすぐに倒産してしまう会社やいつもお金がなくて社会保険料も払えていない会社も増えました。

弊社は開業以来ホームページのみで集客していることもあると思いますが、今は明らかに10年前と比較して問い合わせのある会社の質が下がり、少ない優良会社を社労士同士で奪いあっている現状です。

開業して10年経ち新規の会社と契約しなくても困らいないということも大きいですが、私が契約したいと思う会社は30件に1件程度です。
 

私が契約しなかった会社もその後、他の社労士と契約しているかもしれないですが、
「30人の手続きと給料計算を2万円でしてほしい」とか「助成金を申請したいけれどタイムカードがないので社労士が作成してほしい」など契約する社労士の人は悲惨だと思います。

ただ驚くことにこういった会社と契約している社労士が多いのも事実です。

最近も弊社の取引先の社長から「助成金を提案してくれない顧問社労士に不満を持っている」経営者の方を紹介していただきましたが、聞いていると従業員15人の会社の社会保険手続きと給料計算(末締め翌月5日支払い)の業務を毎月5000円の料金でやっているとのことでした。(しかも契約しているのは名古屋でそこそこ有名な社労士法人で、対応しているのは社労士法人の代表でした)

弊社と契約すると月4万5000円はかかると料金には納得してもらいましたが、給料日を15日かせめて10日に変更できないかと打診したところ、「そんなことしたら従業員が全員辞めてしまう」ということで最終的にこちらからお断りさせていただきました。


この層の会社は「安ければ誰でもいい」「助成金がもらえれば何でもいい」という「今だけ、カネだけ、自分だけ」の会社ですので正直あまり関わりたくないというのは多くの社労士の本音だと思いますが、この層と契約しないと生活できない人も多いでしょう。

もし私が社労士の成功を定義するなら
1,売上がそこそこあること(1000万円くらい)
2,客層がいいこと
です。

私からすると上記の社労士法人は売上もそこそこあって、地元では有名ですが、薄利多売の商売ということで失敗の部類です。

一方でいいニュースだと思うのは高齢社労士の引退や死亡で残存者利益は確実にあると思います。知り合いの社労士も80代で亡くなった事務所の継承をしているという方が多数おり、数少ない朗報だと思います。

今後10年、20年でなくなりそうな社労士業務

今後の10年、20年でなくなりそうな業務や社労士の影響について私が考えていることを記載します。
マイナンバーや法人番号が強制的に使われることが前提になりますが、上から順に実現性がありそうなことです。

基本的にマイナンバーと法人番号を使うことで社労士の手続き業務は半分以上がなくなると思います。
実際になくなることはないかもしれないですが、保険証のようにやろうと思えばいつでもなくせる業務なので、これから社労士開業を検討している方は「もしかすると来年は〇〇の業務がなくなって仕事も減ってしまうかもしれない」という考えが必要なため大きなリスクだと思いますし、「明日は今日より悪くなる」と思って仕事をしなければならないため精神衛生上もよくないです。

私は正直なところ、あと10年くらいはジリ貧ながらも社労士を仕事にできると思っていますが、20年後は社労士の業務自体がほとんどなくなっていて、社労士で稼ぐということが厳しくなっているだろうと予想しています。


1,健康保険証の廃止
これはすでに発表されました。
今後入退社の保険証発行、返却、扶養の追加削除、保険証の発行依頼はなくなります。
また資格喪失連絡票や国保の会社で適用除外の会社は毎回国保に提出してから年金事務所に行くということもなくなります。もっと言うと健康保険からの出産一時金や高額療養費や限度額認定証などは請求しなくても自動で計算して支給されることもできるようになると思っておいた方がいいでしょう。

2,雇用保険被保険者番号や基礎年金番号の廃止してマイナンバーへ一本化
これは一部すでに実施されていますが、個人番号提供拒否が認められなくなり強制になっていくと思います。マイナンバーの目的の一つが「税と社会保障の一体化」であることを考えると将来的には税金や社会保険はマイナンバーと紐づけされて多くの業務がなくなりそうです。

3,個人や法人の銀行口座との紐づけ
これもすでに一部実施されていますが、労災保険からの給付、健康保険からの給付、年金、児童扶養手当、失業保険、生活保護などの給付が一人一人登録してマイナンバーと紐づけることで毎回銀行口座を記入する必要がなくなりますし、なによりも併給調整の確認がすぐにできるようになります。

法人も銀行口座を紐づけできれば、コロナのときのように国や県の助成金についても毎回銀行口座の番号を記入して通帳をコピーするということもなくなります。

4、法人番号に統一
現在は労災だと労働保険番号、雇用保険だと雇用保険設置番号、健康保険、社会保険、税金などの法人の番号が法人番号に統一されることにより、各種設置届や所在地変更の業務がなくなります。

5、歳入庁の設置
これはどうなるか分かりませんが、歳入庁の設置で労基署やハローワークの徴収課、年金事務所の徴収課が国税や地方税と統一されます。現在は税金は1月から12月で、労働保険は4月から3月までを1年として集計していますが、こちらもどちらかに統一されれば労働保険の年度更新の業務自体がなくなりますし、算定基礎や月額変更などもなくして1年の収入で社会保険の等級が決まるということも可能になると思います。

所得税のように社会保険料も暫定で控除して、12月の確定申告で1年の収入で社会保険の等級を決定することもできます。

6,年末調整の廃止
銀行や証券会社、生命保険会社の口座をマイナンバーを紐づけすることで、年末調整の業務そのものがなくなります。

7,ベーシックインカムの導入
一人毎月8万円のようなベーシックインカムが導入できるとは思いませんが、現状の複雑すぎる社会保険が今よりも簡素化されることは十分にあると思います。ベーシックインカムのように国民全員というのは難しくても
 

私の対策について

最近はコロナで飲み会が減っていますが、社労士の飲み会があると「10年後の社労士業務はどう思うか?」ということをよく聞いています。これを聞くと今よりも増えると考えている人は0人で、今よりも減るという意見しかありません。給料計算は残るという意見やパソコンを使えない層は少なからずいるからそこを照準にするという方もいますが、みんな減っていくという考えです。

対策としてよく聞くのは
・他の業務(例えば障害年金や今まで提案していない助成金)の取組
・採用や定着のコンサルタントの資格取得
・関与先の役員にしてもらう
などをよく聞きます。

ただあまり私と違って危機感を感じないのは、多くが50代、60代の方なのであと10年稼げればという考えが大きいのだと思います。

私自身は今後社労士の業務が減っていこと、そして売上が下がっていくことについて時代の流れなのでしょうがないと思っていて、いまは社労士とまったく関係のない業務で収入を得る必要性を感じています。

私は上記のように他の社労士がしているように社労士業務に付随する業務ではなく、まったく社労士の関係ない業務で収入を得ることを考えていて少しずつ実行しています。

このブログを記載していることもその一つですが広告をつけて、今ではアドセンス収入が月に3万程度あります。このブログ収入はすべて社労士法人へ入るため私の収入が直接増えるわけではありませんが、プライベートで株式投資の配当ブログを5年前から始めそちらは現在月20万円を超えています。別におすすめをすることはありませんが業務が減っていくことが確実な社労士業務に使うよりも、社労士に使う時間を他の業務にあて収入を増やすということも一案だと思います。

もちろん社労士の業務が好きだからという方は社労士の開業や勉強もいいと思いますが、私のように社労士で稼げたいという方については今後難しいと思います。

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