2025年4月から始まった「育児時短就業給付金」は育児のために時短勤務を選択した労働者の手取り減少を支援する制度です。
・支給率は原則として時短勤務開始後の賃金の10%が国から支給されます。
・子供が2歳まで受給できます。
・正社員だけでなく雇用保険に加入していればアルバイトやパートも受給可能です。
育児時短就業給付金によって育休後の働き方の選択肢が増えましたね。そこでよく質問されるのが「育休後の復職でどれくらい時短勤務で働くのがいいのか?」という点。
育児時短就業給付金の制度そのものを説明をしているホームページは多いので、今回は育休後の復職でどれくらい働くのがいいのかについて社会保険の継続と育児時短就業給付金の関係性から4つの時短パターンでシュミレーションしました。
こちらは正社員だけでなく、育休前にパートだった方も同じですですので参考になると思います。
このブログは社労士が監修しています。
→就労証明書の会社記入について
→育児休業で使える助成金(2025年)
【パターン1】復職後に週30時間以上の勤務をする場合
・社会保険の加入はそのまま継続
・育児時短就業給付金も申請可能
復職後週30時間以上勤務する場合は、厚生労働省の推奨モデルということもあり一番理想的かつ一般的です。
1日の勤務時間を8時間から6時間に変更する場合が多いですが、6時間へ時短になった給料の減額分が育児時短就業給付金で補助されます。
ちなみに育休後の時短勤務は法律では週30時間以上勤務することが定められています。
ですので、下記に記載するパターン2以下の週30時間未満の勤務で復職を希望する場合は、会社として認めないという選択肢も可能です。大企業では週20時間までの復職を認めている会社もあるかもしれないですが、一般的に中小企業で認めている事例は少ないと思います。
【パターン2】従業員51人以上の会社で週20時間以上30時間未満の勤務の場合
・社会保険の加入はそのまま継続
・育児時短就業給付金の申請可能
【パターン2】以降は上記に記載したようにあくまで会社に制度がある場合や会社が認めた場合です。
【パターン2】と【パターン3】は週20時間以上30時間未満の勤務という点は同じですが、勤め先が従業員51人以上で特定適用事業所の該当するかどうかで社会保険にそのまま加入できるのか、喪失になるのか違ってきます。
【パターン2】の場合のように従業員51人以上の会社で勤務している方は週20時間以上30時間未満の働き方でも【パターン1】と同じように社会保険に加入したまま、育児時短就業給付金も受給できますので【パターン1】と同じく特段の注意点はありません。
このあたりは大企業と中小企業の見えない格差といえるかもしれないので、会社に感謝したいところです。
【パターン3】従業員50人未満の会社で週20時間以上30時間未満の勤務の場合
・社会保険は喪失
・育児時短就業給付金は申請可能
【パターン3】からは明確に線引きされていて注意が必要です。
【パターン3】は【パターン2】と勤務時間は週20時間以上30時間未満と同じですが、会社規模の違いにより社会保険は喪失になります。
社会保険の加入については正社員の4分3以上の勤務時間が必要であり、育休後の復帰の場合でも例外はありません。
社会保険が喪失になるため
・配偶者の扶養(年収130万円未満)
・ご自身で市長村の国保に加入し国民年金の納付
という選択肢になると思いますが、多くの人は年収130万円超えるため、市町村の国保と国民年金を納付する人も多くなると思います。
そうすると育児時短就業給付金を受給しても、国保と国民年金の支払いで手取りげ減る人の方が多くなるので現実的には【パターン3】を選択する人は少ないかもしれません。
一つの目安として育休前の月給23万円以上の方は週20時間勤務でも年間130万円以上になります。
【パターン4】週20時間未満の勤務
・社会保険は喪失
・育児時短就業給付金も対象外(雇用保険も喪失のため)
週20時間未満の勤務になると社会保険の喪失に加えて雇用保険も喪失になるため、育児時短就業給付金も対象外になります。
ただし、年収を130万未満にすることで配偶者の扶養になることができ、【パターン3】のように国保や国民年金の支払いは免除となることで【パターン3】より勤務時間が少なくてもさほど手取りは変わらないことが想定されます。
【パターン4】で注意したい点は社会保険も雇用保険も喪失になるため、第2子を妊娠しても社会保険や雇用保険からの給付はすべてなくなります。
→育児休業等支援助成金(育児休業したときの助成金)
→出生時両立支援助成金 2種(前年と比較して育休の割合が増えた会社の助成金)
まとめ
2025年4月から始まった「育児時短就業給付金」は、育休後の復職による手取りに減少をサポート(支給率10%・子供が2歳未満まで)してくれて正社員だけでなく条件を満たせばパートや契約社員でも利用できる心強い制度です。
ただし、時短勤務で働くにあたっては以下の点に注意が必要です。
・週20時間以上の勤務が給付金の必須条件
・週30時間未満の勤務を希望する場合、会社規模(従業員数が50名以下など)によて社会保険を喪失しるリスクがある
・社会保険を喪失すると、配偶者の扶養に入るか、国保・国民年金を自分で支払うかの選択になり、結果的に手取りが減る可能性がある
復職後の働き方を決める際は、給付金だけでなく「社会保険の喪失・継続」まで含めたトータルでのシュミレーションが欠かせません。
「自分はどのパターンに当てはまる?」「一番手取りが多くなる働き方は?」など、育休からの復職や労務管理でお悩みの経営者様、人事担当者様は、ぜひ名古屋社会保険労務士法人までお気軽にご相談ください。