こちらのブログでも言及したように現在のJ-REITは
・高稼働で業績好調
・分配金も過去最高を更新
・物件の含み益も5,8兆円と過去最高
ですが金利上昇による負担増の懸念から、売りに売られJ-REIT全体の分配金利回りも5%を超えています。
今回は好調なJ-REITの中でも、直近に増配を発表した2つのJ-REITを紹介します。
【8958】グローバルワン・不動産投資法人
・グローバル・ワン不動産投資法人は2003年に上場したオフィス特化型のJ-REITです。オフィスの中でも都心の大型オフィスに投資していて3月と9月が権利確定月です。
・2月28日に物件売却(横浜プラザビル)により81億円の利益を確定したことがリリースされています。こちらは上記で記載しているようにJ-REITは現在含み益が多いという点ですね。
・売却益の81億円を原資に2025年9月の分配金を2323円から4107円と76,8%の大幅な増配を発表しています。このように2025年9月から6期(3年)にかけて通常の賃料収入に加えて、売却益の一部が分配される予定です。
(追記)
3月21日に2025年9月の分配金を4107円から4126円に増配を発表しています。
具体的には
2025年9月は2018円、それ以降の5期は1211円が物件売却益分として通常の賃料に上乗せされます。2026年3月からは巡航分配金で2400円以上を目標にしているため2400円以上と売却益の1211円の3611円以上が分配される予定です。
※巡航分配金とは物件売却益など一時的な要因を除いた分配金のこと。
現在の株価は11万3900円なので、今から購入しても分配金利回りは7%ちかくありJ-REITのなかでもトップになりました。
・物件売却はあくまで一時的な収入のため将来の賃料収入が減るというデメリットもあります。
そこでグローバル・ワン不動産投資法人は50億円(発行済投資口の4,76%)の自己投資口の取得(上場会社でいう自社株買い)も発表しています。
今回の物件売却により巡航分配金は2087円から1835円まで下がりますが、自己投資口の取得により1口あたりの当期純利益が増えた結果1907円まで上がる予定です。
それでもまだ目標にしている2400円には届かないので、この差額をどう対処していくかが今後のポイントになると思います。
・グローバル・ワン不動産投資法人は3月と9月が権利確定月のため3月27日までの購入すると3月の分配金の対象になります。
【3468】スターアジア不動産投資法人
・スターアジア不動産投資法人は、ホテル・オフィス・住居などに投資している総合型リートです。1月と7月が権利確定月。1月と7月に権利確定がある高配当株は少ないため貴重です。
・2月27日にホテル変動賃料が好調なため1月の分配金を1538円から1701円と10%増配しています。10%の増配は上記のグローバルワン不動産投資法人と比較するとさみしいように思いますが、スターアジアの場合は一時的な物件売却ではなく巡航ベースの増配のため、今後もホテルの好調が続けば分配金も高い金額で安定すると思われます。
スターアジアは昨年からホテルの比率を増やしていましたが、さっそく結果がでました。このあたりはスポンサーが不動産ファンドだけありうまいです。
→福岡リート投資法人も商業施設が好調で増配を発表しています
・2025年7月期の分配金は1625円、2026年1月は1644円を予定しているので、現在の株価だと6,2%になります。現在の高配当のJ-REITの中でも巡航ベースの利回りで6%を超えるのは、タカラレーベン不動産投資法人と東海道投資法人くらいだと思います。スターアジアはもともと分配金の目標を1600円以上としていましたが、これで達成されました。
タカラレーベン不動産投資法人は現在ぼ分配金は2700円前後ですが、3500円を目標にしています。時期が記載されていませんが達成できたときは現在の利回りだと8%を超えそうです。
まとめ
今回は物件売却で増配したグローバルワン不動産投資法人とホテルの変動賃料が好調で増配したスターアジア不動産投資法人を紹介しました。
増配の理由は違えど、どちらも好決算でした。
にもかかわらずスターアジア不動産投資法人の方は株価はあまり反応せず、好調なのに人気がない現在のJ-REITを象徴しているように思います。
2001年に市場ができたJ-REITにとっては初めてのインフレ局面。
果たしてJ-REITはインフレに勝つことができるのか注目したいです。