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最終更新日 2025年12月2日
両立支援助成金のひとつである「育休中等業務代替支援コースの新規雇用(育児休業)」について助成金に強い社労士が解説していきます。
2025年1月より両立支援助成金は拡充されていますが、こちらの新規雇用コースは拡充も変更もありません。
育休中等業務代替支援コースは
1,手当支給等コース(育児休業)
2,手当支給等コース(短時間勤務)
3,新規雇用コース(育児休業)
の3種類ありますが、今回は3の育児休業した人の代わりに新規に採用した場合について解説してきます。
3つのコースのうち今回の新規雇用コースが一番お勧め度は高いです!
1の手当支給コースは育児休業した従業員の代わりに「既存従業員」に手当を払い業務を代替するコース、3の新規雇用コースは「新しく従業員を採用」して業務を代替するコースになります。
育児休業者1名について1の手当支給コースか3の新規雇用コースか選択することになるため併給はできません。ただしAさんの育児休業では1の手当支給コース、Bさんの育児休業では3の新規雇用コースと選択することは可能です。
私だったら今後のことも考えて1と3の両方同時に制度導入して運用すると思います。
育児休業取得者の代替のため新たに新規雇用した場合が対象になります。
例えば3月4日から育児休業する従業員の代替として4月1日より新規の従業員を採用した場合が新規雇用コースの対象で、イメージしやすく分かりやすい助成金だと思います。
※妊娠の事実を会社が知ってから育児休業が終了するまでの採用が対象
こちらも手当支給コースと同じく
育児休業を予定している、もしくは現在育児休業している従業員がいる場合が前提になります。
また育休中等業務代替支援コース(育児休業)は
・中小企業のみが対象
・令和6年1月1日以降に育児休業を開始
している会社が対象になります。
※手当支給コースは従業員300人以下の会社が対象に変更になっていますが、新規雇用コースは今までと同じく中小企業のみ対象です。
■助成金の金額
| 業務代替期間 | 助成額 | プラチナくるみん認定 |
| 7日以上14日未満 | 9万円 | 11万円 |
| 14日以上1カ月未満 | 13万5000円 | 16万5000円 |
| 1カ月以上3カ月未満 | 27万円 | 33万円 |
| 3カ月以上6カ月未満 | 45万円 | 55万円 |
| 6カ月以上 | 67万5000円 | 82万5000円 |
さらに
・育休者が有期雇用労働者の場合は10万円
・育児休業に関する情報公開した場合は2万円
の加算があります。
業務を代替する期間により助成金の金額が異なります。
育児休業に関する情報公開した場合の2万円については弊社で代行している会社については手続き可能ですが一般的に社労士に代行していない会社が手続きしようとすると費用対効果が悪いため無理に申請する必要ないと思います。
助成金を検討する場合は、業務代替期間が3カ月以上で45万円で申請できるかが損益分岐点だと思います。
またプラチナくるみんの上乗せがありますが、現在プラチナくるみんを持っていない場合はいまから準備しても間に合わないので、上乗せなしの申請になります。
難易度は高いですが、新規雇用者が有期雇用の方の場合は、キャリアアップ助成金の正社員化コースや男性の育児休業の場合子育てパパ支援助成金との併給も可能です。
■助成金の流れ
1,従業員の妊娠を知る
2,就業規則へ規定(規定例は下記に記載。育休から復帰までに規定)
3,代替従業員を採用
4,育児休業者の業務を代替
5,育児休業者の職場復帰
6、職場復帰して3カ月間勤務
7,支給申請
という流れが原則ですが順番が違っていても助成金の対象になります。
2について補足
■就業規則の規定例
1,育児・介護休業後の勤務は原則として、休業直前の部署及び職務とする。
2,1項に関わらず、本人の希望がある場合および組織の変更等やむを得ない事情がある場合には、部署及び職務の変更をおこなうことがある。この場合は、育児休業終了予定日の1カ月前または介護休業終了予定日の2週間前までに正式に決定通知する。
就業規則の規定は遅くても育休から復帰するまでに規定が必要です。なるべく早めに規定することが望ましいです。
6についての補足
育児休業した従業員が職場復帰して3カ月間勤務すること(厳密に言うと支給申請まで在籍している必要があるため職場復帰して5か月は勤務が必要)が条件のひとつのため、育児休業してそのまま退職してしまった場合は手当を支給しても対象になりませんので、この助成金の最大のポイントだと思います。
せっかく助成金を調べて就業規則に規定したにも関わらず、育休者が復職せずに退職してしまい助成金の要件を満たせない会社は多いことが予想されます。
■就業規則の規定例
1,育児・介護休業後の勤務は原則として、休業直前の部署及び職務とする。
2,1項に関わらず、本人の希望がある場合および組織の変更等やむを得ない事情がある場合には、部署及び職務の変更をおこなうことがある。この場合は、育児休業終了予定日の1カ月前または介護休業終了予定日の2週間前までに正式に決定通知する。
・育児休業の代替者は育休者と同じ事業所、部署で勤務する必要があります。
・所定勤務時間の2分1以上勤務する必要があるため、正社員(週40時間勤務)が育休する場合は代替者はアルバイトでも構いませんが週20時間以上勤務する必要があります。一方で何時間代替業務をするかについては規定がないため、正社員(事務職・週40時間勤務)が育休する場合、アルバイト(事務職は週に5時間、残りは営業)という勤務でも可能です。
・代替者については雇用保険の加入も要件ではありません。
・妊娠の事実を知ってから採用する必要がありますので、もともと採用が決まっていたような場合は対象になりません。
今回記載した育休中業務代替支援コースの育児休業はおすすめ度が高いので積極的に申請した助成金です。
またしつこいですが、2025年現在は育児休業の助成金は他の助成金とも併給可能になるので育児休業する従業員がいる会社はぜひお早めに相談いただきたいです。
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