キャリアアップ助成金の一つである正社員化コースの不支給が多くなっていることは以前ブログで記載しました。
→キャリアアップ助成金で不支給多発
そこから3カ月たち現在、不支給になている事例をご紹介していきます!
キャリアアップ助成金を申請する方に少しでも参考になれば幸いです。
正直なところ、助成金の名前や内容はそれほど変わっていないですが今までとは別の助成金になったという認識で申請した方がいいと思いです。
とくに何年か前に一度申請したことがあるような会社にとっては中身が大きく違っています。
以下、不支給になった事例2件です。
念のため弊社(名古屋社会保険労務士法人)が代行した申請はまだ不支給になったことは1件もありませんが、この状況が続くと助成金のスポットで申請している会社は特に、いつ不支給になってもおかしくないといった感じです。
1,非正規のときの賞与を支給した!
※退職金は非正規も正規もない会社を想定
現在のキャリアアップ助成金は正社員転換後に賞与か退職金の規定は必須です(実際の支給までは求められていません)が、この場合に賞与の規定を選択した場合は、たとえ非正規の就業規則や雇用契約書で不支給と規定していても実際に賞与を払うと待遇が変わっていないということで不支給になるケースが多いです。
私が親しくしている労働局の審査担当者の方に聞くと、就業規則で非正規の賞与がなしの会社で非正規のときに賞与を払う場合に
・30万円を超えると不支給の可能性が高い
・10万円程度だと他の従業員や正社員の賞与と比較して審査
・3万円程度で寸志程度なら問題なし
ということでした。
これはキャリアアップ助成金のマニュアルや支給要領にも記載されていませんが、参考になると思います。
非正規のときに賞与を払うことで助成金が不支給になってしまうのは、かわいそうな気がしますが助成金では不支給になってしまいます。
もともと非正規の就業規則で賞与あり、正社員の就業規則でも賞与ありというケースも難しいです。
とくに転換前は月給の契約社員で賞与あり、正社員転換後も月給で賞与支給というケースは不支給になるケースの方が多いようです。
なにか明確に正社員になったことでここが待遇が変更になったというアピールは必須ということです。
いい方は違うかもしれませんが採点競技になったとイメージすると分かりやすいと思います。
ちなみに名古屋社会保険労務士法人ではキャリアアップ助成金の正社員化コースを申請する会社は非正規のときの賞与の支給はお勧めしておりません。
【キャリアアップ助成金の賞与についてまとめ】
・一番いいのは非正規は賞与なし、正社員は賞与あり
・非正規も正社員も賞与支給の場合は不支給になるケースが多い
・非正規も正規も賞与支給の場合は、正社員は退職金を支給など明確な待遇向上が必須
2,就業規則が厳格に適用されていない
1よりも2の方が不支給になる理由が多いように思います。
以前にも給料規定の賃金額と違っていたため不支給になった知り合いの社労士がいましたが、いまは就業規則に会社カレンダーと記載されているのに会社カレンダーがなかった程度で簡単に不支給になります。
また就業規則に記載がないけれど会社の独自ルールがある場合も注意が必要です。
例えば3カ月に1回病院に行くけれどその時間は早退しても給料は全額払っている場合も不支給になりかけました。
このように会社の独自ルールというのは不支給になりがちです。
今回はたまたま助成金を申請した以外の従業員にも同じように病院のため早退したけど給料払っている方がいたため助成金は支給になりましたが、たまたま同じような従業員がいないと就業規則が適用されていない(この場合は早退しているのに給料が引かれていない)という理由で不支給になることもあります。
同じように早く仕事が終わった日は就業時間前に帰宅しているような会社も就業規則にその旨を記載しておいたほうがいいでしょうし、就業規則の規定で1カ月の変形や1年変形を導入しているにもかかわらず実際に運用されていないようなケースも就業規則を変更しておいた方がいいです。
もし就業規則を変更した場合は、新しい就業規則が適用されてから6カ月してからの正社員転換が必要な点も注意点です。
このように現在のキャリアアップ助成金の正社員化コースは難易度が高くなたことで、今まで代行していた社労士もどんどん徹底していると聞いています。
いまのところ名古屋社会保険労務士法人ではスポットの助成金申請代行も受付しておりますので、お困りの会社様はぜひ一度お問い合わせいただければと思います。