直近の社会保険関連のニュースだけでも
①国民年金を維持するために厚生年金の積立金を活用
②年収798万円以上の厚生年金保険料値上げ
③中所得者、高所得者の高額療養費の負担引き上げ
がありました。
この3つのニュースに共通するのは「低所得者の赤字補填のために高所得者の負担を上げる」ということです。
さらに税金のニュースでも年収850万円以下は減税とあったように、年収800万円以上は税金でも社会保険でも狙い撃ちされているよに思います。
今回は同じ年収でも給料や賞与の払い方により年間で社会保険料がどれくらい違ってくるかについて検証します。
具体的には同じ年収1000万円で、給料と賞与の割合を変更して3つのパターンで検証します。
【検証1】給料83万円で1000万円をすべて給料で払う場合
健康保険 1カ月4万1624円、年間49万9488円
厚生年金 1カ月5万9475円、年間71万3700円
賞与の社会保険料はもちろん0円のため121万3188円が年間の社会保険料です。
1000万円のうち社会保険料の本人負担が121万円のため、およそ12%は社会保険に取られている計算になります。会社もほぼ同じ金額を払っているため、会社側からすると1000万円の給料を払おうとすると1121万円の費用が発生している計算になります。
【検証2】給料50万円と賞与400万円の場合
給料の健康保険 1カ月2万5075円、年間30万0900円
給料の厚生年金 1カ月4万5750円、年間54万9000円
賞与の健康保険 20万0600円
賞与の厚生年金 13万7250円
年間の社会保険料は118万7750円です。
検証2では給料が600万円、賞与が400万円で計算しています。
検証1と比較して3万円程度社会保険料が下がりましたが、ほとんど変わっていません。
【検証3】給料20万円と賞与760万円の場合
給与の健康保険 1カ月1万0030円、年間12万0360円
給与の厚生年金 1カ月1万8300円、年間21万9600円
賞与の健康保険 28万7359円
賞与の厚生年金 13万7250円
年間の社会保険料は76万4569円です。
検証3では給料で240万円、賞与で760万円の支給で賞与の割合が相当増えて合計1000万円で計算しました。
検証1と検証2はほとんど違いありませんが、検証2と検証3は42万円も違ってきます。これは賞与の場合は健康保険で年間573万円、厚生年金は月150万円の上限があるためで、検証2と検証3は賞与の金額が260万円違うにも関わらず厚生年金の上限をこえているため賞与の厚生年金保険料額は13万7250円と同じです。
このように同じ年収でも賞与の割合が増えることで社会保険料も大きく金額が変わります。