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最終更新日2025年6月19日
仕事を探している人、とくに初めて正社員で働く人向けに求人票の「年間休日数」について社労士が解説します。
求人票を見るときに多くの人が給料の金額や勤務時間を確認するくらいだと思いますが、年間休日はとても重要です。
(この記事は1日の所定労働時間時間を8時間の会社を想定しています。
1日の所定労働時間が8時間より短い場合は最低日数が105日よりも少なくなるなど記載した内容と違ってきます)
年間休日数は会社で自由に決めることができるため会社によって日数が違います。
自由に決めることができるといっても労働基準法で最低105日は必要と決まられているため、105日以上で105日でも130日でも会社が自由に会社で決めることができるということになります。
年間休日数が多ければ多いほど従業員の方にとっては勤務日数が少なくなるということです。
よく質問されますが、労働基準法で定められているのは週2日の休日が必要ということのみのため祝日や年末年始に働かせことは法律違反ではありません。
年間休日数 | 目安 |
105日(最低ライン) | 土日と元旦 |
108日 | 土日と正月三が日 |
110日 | 土日と年末年始に5日程度 |
115日 | 土日、夏季休暇と年末年始 |
121日 | 土日と祝日 |
130日 | 土日と祝日、夏季休暇と年末年始 |
求人票を見たときに年間休日110日の会社だと「うちの会社は週2日と年末年始だけが休日だから祝日は休みではないよ!夏季休暇もないので必要ならば有給で」ということを暗に言っているわけです。
この票を見てもらうと分かるのですが、年間休日数が105日だと最低ラインをクリアしていて法律的にもまったく問題ないですが、祝日や年末年始の休みもなくきついかもしれないですね。
大学生がイメージしている社会人の休日は、週2日に加えて祝日と年末年始と夏季休暇が当然あるような年間休日130日ある会社多いかもしれませんが、実際年間休日130日の会社はかなり少数です。
年間休日数の平均は何か統計があるわけではありませんが、私の肌感覚だと中小企業は110日から115日くらいでしょうか。
祝日が休みでない会社の方が多いわけで、年間休日121日以上の求人をみると「この会社は休日が多いな」という印象をもちます。
一般的に年間休日数は同じ業種なら零細企業や中小企業よりも大企業の方が多い傾向にあります。
大企業の方が年間休日数も多いのに給料も高いわけです。
また業種でも違いがあり
年間休日数が多い業種…銀行や証券会社などの金融系、街の歯科医院など
年間休日数が少ない業種…飲食業やホテル業などのサービス業
これはそのサービスを使うときを考えれば分かりやすいですが、銀行は基本的に祝日や年末年始は営業していない一方で飲食業やホテル業界は祝日や年末年始の関係なく365日営業(ホテルはかつ24時間)しているため年間休日数も必然的に少なめとなります。
ただし最近は人出不足のためホテルなどでも1年に5日程度ホテルの休館日を設けて、従業員を休ませるというホテルも増えています。
年間休日数 | 1カ月の平均勤務日数 |
105日(最低ライン) | 21,6日 |
108日 | 21,4日 |
110日 | 21,2日 |
115日 | 20,8日 |
121日 | 20,3日 |
130日 | 19,5日 |
年間休日数が決まると自動的に1カ月の平均勤務日数も決まってきます。最低ラインの105日の会社と年間休日数130日の会社では毎月2日勤務日数が違ってきます。1年間だと勤務日数が24日多くなるなのでほぼ1カ月分多く働くといったところです。
このあたりは教えてくれる人は少ないかもしれないですが社会の常識として知っておきたいところです。
1カ月の平均勤務日数=(365日-年間休日数)÷12カ月
有給休暇は年間休日数と別のカウントになるため年間休日数には含まれません。
年間休日数…もともと働く義務のない日
有給休暇…働く義務のある日に休める制度
ですので、年間休日数105日ある会社の人で年間の有給休暇20日の場合は、その人の年間の休みは125日で1カ月およそ20日勤務することになります。
年間休日数130日ある会社の人で有給休暇20日の人はその人に年間の休みは150日で1カ月の勤務日数はおよそ17,9日勤務することになります。
また会社によっては慶弔休暇や特別休暇などの制度があり家族が亡くなったときは何日、結婚したときは何日と規定されている会社もありますが、この場合の慶弔休暇も年間休日数とは別カウントのため含まれません。
これから就職する人は、入社前に年間休日数を調べて納得して入社してほしいということです。
最低限
・年間休日数は会社によって休日日数が違う
・年間休日数が多い会社と少ない会社だと1カ月くらい多く働くことになりなる
よく入社後に「祝日に働くのはフラック」とか「友達の会社は夏季休暇があるのにうちの会社はない」など愚痴を言っている人がいますが、求人票に年間休日数が正しく記載されていれば、会社が年間休日数を多くして求人を出しているわけでもなく入社前に調べればすぐに分かることです。
ちなみに年間休日を120日と求人に記載しているのに実際は105日しかないというのはブラックです。
同じ月給25万円でも年間休日数が105日か130日の会社では違ってきます。
このときに考え方に一つとしてお伝えしたいのは月給の正社員でも時給に換算して考えるということです。
同じ25万円の求人でも
年間休日数が105日なら時給換算だと時給1446円
(25万円÷21,6日÷8時間)
年間休日数が130日なら時給換算だと時給1602円
(25万円÷19,5日÷8時間)
となり金額的に大きく違ってきます。
※21,6日と19,5日は月の勤務日数(上の表より)
※8時間は1日の勤務時間
この時に
A、月給25万円で年間休日が105日の会社
B、月給22万円で年間休日が115日の会社
があった場合のどちらが自分の希望に沿っているかは納得して入社してほしいです。
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