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会社が倒産!失業保険や未払い給料を社労士が解説

最終更新日 2025年2月25日

社労士という仕事をしていて従業員も知らないところでいきなり会社が倒産しましたということが毎年1回はあります。

その時に従業員の方によく聞かれることが多い
未払い賃金は払われるのか?
・今まで支払った社会保険料はどうなるか?
失業保険は受給できるのか?
・保険証は使えるのか?
について社会保険労務士が解説していきます。

今回は破産手続開始の決定をしているような法律上の倒産をしている場合よりも、
・社長と急に連絡が取れなくなってしまった場合(いわゆる夜逃げ)
・法律上は倒産していないけれど事業活動が停止しているような事実上の倒産をしている
ケース
を想定しています。

社長が夜逃げしてしまうというケースは中小零細企業だとわりとよくあり、廃業の手続きをせずにちゅうぶらりんになっていることは多いです。

※たまに質問がありますが、複数店舗を経営している会社でA店舗は閉店したけれどB店舗は続いていて会社自体も存続している場合は今回記載している会社倒産には該当しません。
 

会社が倒産 不払い賃金は払われる?

会社が倒産したとき、特に今回解説している社長の夜逃げのような場合、従業員の給料が全額支払われている場合というのは少ないです。
もっというと何カ月も給料が全額支払われていない、支払いが遅延しているというのが一般的です。

この場合ですが従業員がその会社で1年以上勤務している場合は「労働者健康福祉機構」という独立行政法人(国の機関)から未払い給料が最大8割立替されます。

簡単にいうと国が未払い給料の8割を立替してくれるイメージですね。こちらの立替制度については正社員に限らずパートやアルバイトの人も外国人も対象になります。

労働者健康福祉機構立替制度の注意点ですが、会社が設立されてから1年以上経過していることが要件になるので会社設立後すぐに倒産してしまった場合は対象になりません。

また給料が支払われていないことを従業員が証明することになるため必ずしも未払い給料の8割が支払われるわけではないこと、審査に時間がかかることに注意が必要です。とくに給料を現金で支給している会社や給料明細がない会社の場合だと過去分含めて証明が難しくなります。

申請先は会社所在地の労働基準監督署です。

■入社して1年たってない従業員の場合
1年以上在籍の従業員については国の立替で8割が支払われる説明をしましたが1年未満の従業員については対象になりません。
倒産する会社は資金的に余力が少ないことが多いので未払いの給料に関してはほとんど支払われずに泣き寝入りになるというイメージでいいと思います。

■労働者健康福祉機構の立替で対象になるものとならないもの
・対象になるの→毎月の給料と退職金
・対象にならないもの→賞与については対象になりません。また給料2万円以下は対象外です。解雇予告手当についてもありません。

※解雇予告手当は通常だと解雇する従業員の給料を30日分会社が支払います
※未払い賃金も不払い賃金も同じ意味です

会社が倒産 支払った社会保険料は?

社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金)は従業員負担分を会社が預かって翌月に年金事務所へ支払うという流れなので従業員の給料が全額支払われていない場合や遅延している場合は年金事務所への支払いもできていない場合が多いです。

ただ今回のように会社が実際に払ってない場合も給料明細などで社会保険料が給料から控除されていることが証明出来れば納付としたもと認められます。

■国保へに切替について
会社が倒産して社会保険(健康保険)を喪失した場合は市町村の国民健康保険(国保)や家族の扶養に切替て加入する場合が多いと思いますが、国保への切替には年金事務所の喪失日や会社の倒産日が分かる資料が必要なため、年金事務所の決定があるまでは国保へは加入できません。
この年金事務所の決定は少なくとも3カ月以上かかるのが一般的です。

逆に言うと会社が社会保険料を払っていなくても年金事務所が会社倒産の決定をするまでは保険料を払っていなくても払ったと認められるので保険証はそのまま使用できます。

※傷病手当金を受給中の人で会社が倒産した場合は、1年以上勤務している人はその後も自分で最大1年6カ月間は傷病手当金が申請できます。1年未満の勤務の方は会社の廃止日までは傷病手当金の対象となります。

 

会社が倒産 失業保険の受給について

 会社が倒産した場合の失業保険(離職票)の受給について説明していきます。

失業保険の受給手続きに必要な離職票については本来は会社が作成してくれますが、会社が倒産していて事務所が閉鎖されているような場合だと誰も手続きしてくれる人がいませんし会社(社長)と連絡も取れない場合がほとんどです。


そのような場合はハローワークに

・給料明細書(過去1年分あれば一番いいですが6カ月は必須)
・身分証明書(免許証など)
・会社の倒産が分かるもの(破産管財人の通知や会社の張り紙)
を持っていくことでハローワークが職権で離職票の発行をしてくれます。その他にも雇用契約書やタイムカードなど勤務をしていたことが分かる資料があればなるべく多く持っていく方がいいです。

上記でも記載しましたが、従業員本人が給料額や会社が倒産したことを証明しないといけないため、準備できない場合は失業保険の受給は難しいか時間がかかると思います。

 夜逃げするような会社ですので雇用保険に加入していないような場合も多いと思います。さらに時間がかかったり、保険料も払っていないため失業保険の対象にならない場合もあります。


 また失業保険の受給は自己都合退職の場合は給付制限期間で3カ月は受給できませんが、会社の倒産の場合は待機期間の7日の後すぐに認定され、失業保険の受給日数についても自己都合の退職よりも日数が多くなります。

※社長(経営者や役員)には失業保険はありません。
※正社員に限らず雇用保険に加入していればアルバイトやパートも同じです。(外国人含む)
※育児休業中に会社が倒産した場合は、雇用保険廃止届の記載日までは育児休業給付金を受給できます。廃止日以降は育児休業者ではなく、通常の雇用保険加入者と同じく失業者として失業保険を受給するかたちになります。

※産前(出産予定日前6週間)と産後(出産日から8週間)休業中の倒産で出産手当金を申請予定の場合も育児休業給付金のように会社が社会保険の廃止日まで申請できます。

■入社してすぐに会社が倒産してしまったときの離職票は?
入社して6カ月勤務せずに会社が倒産してしまった場合は、会社の倒産が理由であっても失業保険の対象とならないため失業保険の受給権はありません。例外的に以前の会社の雇用保険の被保険者期間と通算することで失業保険の対象となる場合があります。

■社長が夜逃げして会社が倒産したけれど、離職票が届かないケース
こちらもよく質問をいただくので回答します。
離職票を待っていても届かない場合は、単純に誰も手続きしていない場合がほとんどです。
離職票は基本的に会社の事務員が手続きして発行されますが、給料がもらえていないため手続きをやってくれないでけです。
この場合もご自身でハローワークで手続きが必要になります。

■雇用保険の未加入者の場合
週20時間未満の契約の方で雇用保険未加入者の場合は、会社の倒産に関わらず失業保険は対象外になります。
ただし、週20時間以上勤務していた場合は、ハローワークに証明することでさかのぼって雇用保険の加入して、失業保険の対象になるといことも可能です。

 

会社倒産の前兆

 今まで何件か従業員もまったく知らずに会社がいきなり倒産してしまったということがありました。
後で分かることですが会社が倒産する場合は前兆として
・従業員の給料支払いが遅れる(支給日に支払われない)
・給料が全額払われず一部のみ支給される
・税金や社会保険料の滞納で役所から督促の電話がくる
・経理担当者や社長以外の役員が退職する
・社長と連絡が取りづらくなる
・社長と連絡が取りずらくなるため会社の決定ができなくなる
・従業員がどんどん退職していく
・給料や手当が急に減額になる

などが前兆としてありました。
あてはまる項目が多いほど危ないと思います。

また私が経験した会社は
・従業員10人以下の会社
・飲食業、接骨院、美容院などのサービス業
・会社設立3年以下の会社
といった特徴がありました。

またそこそこの規模の会社だとインターネットの掲示板に取引先や従業員の方から、「支払いがない」「給料が遅延している」「倒産するかも」などと書き込みがありましたし、従業員同士でも「うちの会社危ないかも」となんとなる分かるようです。

このような噂はわりと正しい印象です。

そして優秀な人から辞めていくというのもあるあるです。

 

倒産しそうな会社の従業員として

従業員として上記のようなこと項目に複数該当していれば会社の倒産を想定しておくことや倒産する前に退職するのも一案だと思います。
とくに給料の支払いについては自分でも分かることなので確認したほうがいいです。
私ならあらかじめ給料の遅延や全額支払われないときが3回続いたときは退職するなど決めておきます。

このとき一つ目安になるのが失業保険の規定で、失業保険では「賃金(退職手当を除く。)の額の3 分の1 を超える額が支払期日までに支払われなかった月が引き続き2 か月以上となったこと、又は離職の直前6 か月の間に3 月あったこと等により離職した者」については特定受給資格者となるため失業保険は自己都合の退職でも待期期間の3カ月はなくすぐに受給できることになります。

上記に記載しているように会社が倒産しても未払い給料の立替制度などありますが、社長が夜逃げしてしまったようなケースでは従業員が会社の倒産や未払い給料のついて証明しなければいけないため手間も時間も必要になりまし、何よりもストレスになるため早いうちに行動した方がよかったということが多いと思います。

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